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”1人でも多くの笑顔のために、人と地球の「きれい」を創る。”というミッションのもと、天然酵素洗顔「パパウォッシュ」を製造販売する株式会社イー・エス・エスは、38年前の創業時から変わらずに酵素の可能性を追求しています。

 

酵素は、微生物から植物、動物、人間まで、ありとあらゆる生命体に存在する身近な存在にも関わらず、実は実態があまり知られていません。

 

 

このインタビュー記事では、そんな「酵素」の働きや活用法にスポットライトを当て、様々な場所で活躍する酵素を紐解いていきます。

ESSの広報担当として、酵素の素晴らしさを1人でも多くの方に発信して行きたいと思います!

 

第一回目となる今回は、「酵素と美容」について。

酵素が美容やダイエットにいいというイメージをお持ちの方は多いと思いますが、この記事では科学的な視点で酵素=美容・健康に良いとされる理由と最新情報を化粧品原料メーカーの研究員である柚木(ゆのき)さんに伺いました。

 

 

株式会社サティス製薬研究部フェロー、農学博士

生命科学(食品化学、脂質生化学、植物化学、皮膚科学など)の分野に20年以上従事されています。


【INDEX】

酵素は、持ち主が生きていくために動く「工場」のようなもの。

■化粧品の安全性・効果性を高めるために酵素が活躍

肌の酵素環境をコントロールする最新原料も!


 

■酵素は、持ち主が生きていくために動く「工場」のようなもの

ESS 

世の中の「酵素」のイメージというと、ダイエットや健康のために販売されている「酵素ドリンク」が挙げられると思います。酵素美容を提唱しているESSからすると「酵素そのもの」「酵素ドリンク」は全くの別物なんですが、呼び方のせいで2つが混在してしまっていると感じています。

 

柚木様(以下敬称略)

そうですね。

まずは「酵素そのもの」がどんな物質なのかを理解していただくことが必要かもしれません。

酵素とは何かというと、「化学反応を効率よく正確におこさせるためのタンパク質」のことです。

ビタミンやミネラルなどのようにそれ自体が栄養成分というものではなく、ある物質を他の物質に分解したり、合成したりする「工場」のような働きをします。

 

 

酵素は植物だけでなく、菌類や動物、私たちの身体にも存在していて、その持ち主が生きていくために必要なエネルギーをつくり出すために消化や合成を助ける働きをしています。仮に酵素がなくなると、体内の化学反応が非常に遅くなり、身体全体の機能が大幅に低下してしまうでしょう。

 

ESS

「酵素ドリンク」には酵素そのものが入っているというイメージがありますが、実際はそうではないんですよね。

 

柚木

一般的に販売されている多くの飲料商品は、通常加熱処理をします。発酵過程で植物が持つ酵素が働いているかもしれませんが、飲料として加工する時に熱が加わり、タンパク質である酵素は失活してしまいます。

また、仮に酵素が活きていて、それを飲んだり食べたりしても植物酵素がそのまま人間の酵素に置き換わることはありません。タンパク質として消化されて、アミノ酸に分解・吸収されます。

 

 

■化粧品の安全性・効果性を高めるために酵素が活躍

 

ESS

酵素ドリンクは酵素そのものが入っているのではなく、「酵素という工場」によって栄養価が濃縮された植物エキス(生産物)、と捉えるべきですね。

私たちESSが製品や美容法として取り入れている「酵素」とは、工場として働く「本来の酵素」を指していて、植物酵素そのものを洗顔料に配合することで古い角質を除去したり、体内の酵素環境に着目したスキンケア方法を追求しています。

 

 

化粧品原料を開発されている柚木さんから見て、酵素は肌や美容に対してどのような存在でしょうか?

 

柚木

パパインのように酵素そのものを化粧品原料として扱うこともありますが、化粧品の安全性や有効性を高めるために酵素の「工場としての力」を活用することが多いですね。

 

安全性の面から言うと、植物に含まれるタンパク質の除去にも酵素を活用しています。

化粧品原料となる植物には、肌に対してアレルギーを引き起こす可能性があるタンパク質が存在する場合があるので、それを酵素で分解し、取り除くことができます。

 

有効性を高める面では、肌の奥まで届きやすい形にしたり、肌に直接働きかける構造に変更するために酵素が活躍しています。

例えば、大豆由来のイソフラボンには糖が付いた状態なので、分子のサイズが大きすぎて、そのまま化粧品に配合しても肌に浸透しにくいんです。

大豆自身のもつ酵素の力を活性化させることで、イソフラボンと糖が切り離され、より肌に浸透しやすいサイズ・状態でスキンケア製品に配合できるのです。

 

 

ESS

大豆は納豆菌や麹菌など微生物の酵素によって納豆や味噌など別の食品に生まれ変わっていますが、化粧品原料も酵素によって効果性を高めているんですね。

こういった原料は他にも色々あるのでしょうか?

 

柚木

 

酵素によって肌への有効性を高めている化粧品原料は他にもありますが、中でも面白いのは「発芽ハトムギエキス」です。

 

ハトムギエキスを配合した化粧品は多いのですが、これはハトムギの豊富な栄養成分に期待してのものです。

しかしながら、この栄養成分は食品として消化・吸収することで初めて肌の美しさにつながるのであって、消化能力のない肌にそのまま塗ってもハトムギ本来の有効性は発揮できないという課題がありました。

 

 

古くから漢方として活用されてきたハトムギ自体のポテンシャルは高いはずなので、何とか肌にその力を届けられないかという想いから、種に存在する酵素の力に着目しました。

 

ESS

植物の種にも酵素が存在するんですよね。種の環境が一定の条件になるとホルモンや酵素が働き始め、発芽するというのは学生時代に学んだ記憶があります。

 

柚木

種子は発芽・成長に必要なエネルギー源をタンパク質やデンプンといった分子量の大きい化合物として貯蔵し、休眠しています。

しかし、ひとたび発芽の条件が整うと、多くの酵素が動き出して代謝が活性化し、高分子化合物はアミノ酸や糖といった成長に必要な分子量の小さい栄養成分へと変換されます。

 

 

酵素の力でハトムギを発芽させてから抽出したエキスのアミノ酸を分析したところ、シワの抑制につながる必須アミノ酸の量が大幅に増加することが分かりました。

 

同じ植物成分でも食べる場合と肌に塗る場合とでは働き方が異なるため、化粧品原料の場合は肌にとって最適に働く形に整えてあげることが非常に大切です。

 

 

■肌の酵素環境をコントロールする最新原料も!

 

ESS

酵素が働く前と後で、同じハトムギでもアミノ酸量が変わる、というのはとても面白いですね!

肌に存在する酵素に着目した化粧品原料も存在すると思いますが、最新情報がありましたらぜひ教えていただきたいです。

 

柚木

肌に存在する酵素に着目した原料でいうと、シミの原因になるメラニンをつくり出すチロシナーゼ酵素の活性を抑える「紅たでエキス」ですね。

美白の分野ではチロシナーゼ酵素の活性を抑制するためにいろいろなアプローチが研究されていますが、我々が着目したのは、チロシナーゼ酵素活性に関わる細胞内のpH環境です。

 

チロシナーゼ酵素は中性からアルカリ性の環境下で活性が高く、反対に酸性の環境下では活性が抑えられるため、酵素環境を酸性化することができる成分を探していました。そんな中で出会ったのが、和食や刺身のつまに使われている「紅たで」です。

 

 

紅たでの抽出物にはフラボノイド硫酸という細胞内を酸性に保つ成分が含まれています。

これは紅たでで初めて発見された成分で、有効性試験でも実際にメラニン産生が抑制されることが分かっています。

 

▼詳しい原料情報はこちらから

テクノロジー

 


~インタビュー後記~

酵素という「工場」を上手くコントロールすることで様々な角度から美容にアプローチできることがよく分かりました。

化粧品業界では、酵素を原料開発に活かすのはもちろん、肌の酵素環境に着目した新原料の開発も進んでいます。ESSもこういった新たな技術を取り入れながら、「人と地球のきれい」を両立させるために酵素美容を進化させていきます。

 

ESSの科学


 

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